TACはISO/IEC17025認定試験所です 「直売所食の安全プログラム」認定所のご紹介 食材が子供たちの命を救う野菜を送ろう!特設ページを見る 株式会社つくば分析センターはGAPの取組を応援しています

土壌生物性診断

土壌病害が発生する要因としては、病害を引き起こす微生物やセンチュウが存在するかの「主因」、水はけが悪いなどの病害にかかりやすい環境であるかの「誘因」、病害になりやすい作物かの「素因」の3つがあげられます。
土壌病害の主因である土壌病原性微生物や植物に寄生性する有害線虫の密度が増加すると、病害は発生しやすくなります。土壌中の土壌病原性微生物や植物寄生性センチュウの密度について把握することは、土壌病害の未然防止や農薬の費用削減、栽培管理方法の検討など作物栽培にとって有用です。

検査の特徴

分析方法(リアルタイムPCR法)
土壌からのDNA抽出し、リアルタイムPCR法を用いてセンチュウや病原菌等の密度をDNAの量から求めます。
リアルタイムPCR法のメリット
センチュウ:卵や運動性のない個体を含めて検出できます。
病原菌等:培養を経ずに迅速に菌密度を把握できます。

検査項目

検査項目 生態 汚染度
の記載
料金 納期
ネグサレセンチュウ 広くさまざまな植物に寄生します。一般に地上部の病徴はあまりでませんが、根菜類で病徴が⾒られます。また、他の病原菌との複合病を引き起こすことが知られています。 8,000円
(2項目目以降
+2,000円
/項目)
5営業日
サツマイモネコブ
センチュウ
東北から南⻄諸島まで広く分布しています。イチゴや落花生を除く主要な作物全てに寄生します。萎凋枯死や根菜類の奇形を引き起こします。
ダイズシスト
センチュウ
マメ科を好んで寄生します。病徴としては葉の⻩化・萎凋・枯死があげられます。また、外観的被害がみられないまま、減収を引き起こす場合もあります。
根こぶ病菌 アブラナ科野菜の根に寄生し、大きなこぶを生じさせます。茎葉の萎凋、枯死を引き起こします。
イモグサレ
センチュウ
青森、北海道などの地域でニンニクの栽培時に問題となっているセンチュウです。土壌からニンニクの根や鱗片に侵入し、生育不良や貯蔵時の腐敗を引き起こします。
ネモグリセンチュウ レンコンに黒点症状や変形などを引き起こすセンチュウです。
フザリウム・
オキシスポラム
根から植物に侵入し、導管部を褐変させ、植物の水分・養分の吸収を阻害し、生育不良、萎れなどの症状を引き起こします。注:各病気に対する分化型が知られており、例えば、トマト萎凋病を引き起こすフザリウム・オキシスポラムとキュウリつる割れ病を引き起こすそれは違う種類(分化型)のものです。本検査ではフザリウム・オキシスポラムの種類(分化型)の特定はできません。 ×

※汚染度は測定密度が多いか少ないかがわかりやすいように0~3で示したものです。被害の発生や対策方法の決定の目安になります。
※料金は全て税別表記です。

フザリウム・オキシスポラムが引き起こす病害の例

  • ・萎凋病(トマト、ホウレンソウ)
  • ・萎黄病(ダイコン、キャベツ、カブ、セルリー、イチゴ)
  • ・つる割れ病(キュウリ、スイカ、メロン)
  • ・立ち枯れ病(アスパラガス)
  • ・根腐れ病(レタス)

など

病害の様子

報告書

測定した密度と
汚染度を記載します。

測定した密度を記載します。

病害発生リスクの対策と土壌生物性診断

土壌の状況を把握する一手段としての土壌生物性診断

作物生産では天候、病害、虫害など生産量の変動を招くリスクが様々あります。そして、そのリスクに対応するための様々な情報や検査を取り入れていくことは重要です。土壌生物性診断はリスク低減のための一手段になり、リスク対策を立てるのに活用できます。

土壌生物性診断の活用

活用案① 圃場・ハウス別管理に
土壌や罹病植物体の移動は病害発生範囲を拡大させる恐れがあります。診断をすることで、圃場やハウスそれぞれの状態を確認でき、それぞれに管理方法を考えることで、病害の蔓延を防ぐことができます。

活用案② 病害対策の有無や対策方法の判断に
作付けごとに診断し、診断の結果をみて、その後の対策に役立てることができます。病害がひどくなる前に、適切な対応をとることができ、被害を最小限にとどめることができると考えられます。

土壌採取について

サンプリングのタイミングについて

  • ・作付け中、収穫後などタイミングによって病原微生物の密度は変動します。経年変化をみたい場合は、施肥前や作付け前などサンプリングのタイミングをいつも同じにすると、結果を活用しやすくなります。
  • ・防除の前後で密度の変化をみたい場合、特に防除後のサンプリングは処理完了後10日程度経過した頃にサンプリングしてください。防除処理直後の土壌には死んだ微生物のDNAが残っており、そのDNAを検出して実際より高い密度の結果となる可能性があります。

採取地点

1 )圃場につき離れた複数地点(5か所以上)、部分的に病害発生、生育不良などがあった場合はその箇所から数地点採取してください。

土の採り方

1 )表層の土を5 cm程度はらって、作物の根が張っている深さ(深さ20cmくらいまで)の土壌をとってください。

2 )各地点からとった土をバケツなどにまとめていれ、よく攪拌してください。

3 )300g程度の土を取って、風乾させてから、袋にいれて、郵送してください。

  • *雨天直後は極⼒採取しないでください。
  • *採取した土壌の保管が必要な場合は高温になる場所をさけて保管してください

検査のご依頼

「ご依頼に際しての注意事項」をご確認の上、検査依頼書にご記入いただき、
事前にFAXをお送りください。
ご依頼方法はこちらこの検査の依頼書をダウンロード